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2026-08-22 AI議事録タスク管理自動化業務効率化会議

議事録から「自分のタスクだけ」を取り出す|他人の宿題が混ざる問題を5分類で解く
AI議事録

議事録から「自分のタスクだけ」を取り出す|他人の宿題が混ざる問題を5分類で解く

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会議の文字起こしからタスクを自動抽出できるようになると、次に必ずこの壁が来ます。

自分のタスクリストが、他人の宿題で埋まる。

「〇〇さんが見積もりを出す」「先方が資料を送ってくる」「経理で確認する」——会議で決まったことは全部タスクの形をしています。AIはそれを律儀に全部拾ってきます。結果、100件のリストのうち自分がやるのは20件、という状態になり、リストを開かなくなります

結論

これは抽出精度の問題ではなく帰属(誰の宿題か)の判定の問題です。解き方は「自分/他人」の2分類ではなく5分類にすること。そして判定にはプロンプトではなく、判断基準を書いた台帳が要ります。


なぜ他人のタスクが混ざるのか#

AIが悪いわけではありません。文字起こしだけを見ても、誰の宿題かは判定できないからです。

会議での発言誰のタスクか
「やっときます」発言者。ただし話者分離が崩れていると誰か不明
「〇〇さん、お願いできますか」→「はい」依頼された側。名前は会議中に一度しか出ない
「そこは確認が必要ですね」誰も引き取っていない。宙に浮いている
「あとはこっちでやっておくので」「こっち」が自社なのか先方なのか、文脈依存

とくに厄介なのが3番目です。会議では担当者が決まらないまま次の議題に進むことが日常的に起きます。人間は「たぶん自分だろうな」と察しますが、AIには材料がありません。

そして話者分離(誰が話したかの判別)は、参加者が5人を超えると崩れます。同じ人が複数人に割れたり、相槌を話者交代と誤検出したりします(文字起こしの精度のクセと対策で詳しく書いています)。発言者を頼りにした帰属判定は、そもそも土台が弱いのです。


解き方:2分類ではなく5分類にする#

「自分のタスク/他人のタスク」で分けようとすると必ず破綻します。実運用で落ち着いたのは次の5分類です。

分類意味リストへの載せ方
自分(mine)自分が手を動かすメインのタスクリストへ。プロジェクト別に振り分け
監督(oversee)他人がやるが、進捗を追う責任は自分にある「監督中」セクションへ分離
他人(others)完全に他者の宿題載せない
AI(ai)自動化に任せられる作業自動処理側のキューへ
不明(unknown)帰属が決まらなかった「要確認」へ。捨てない

この分け方の肝は、「監督」と「不明」を独立させたことです。

「監督」を分けないと、他人のタスクを消せない#

他人がやる作業でも、自分が発注者や責任者なら、放置すれば自分に返ってきます。だからといってメインのリストに混ぜると、冒頭の「埋まる」状態に戻ります。別セクションに分離して、確認するときだけ見る。これで本体のリストが自分の手を動かす分だけになります。

「不明」を捨てると、宙に浮いた宿題が消える#

いちばんやってはいけないのが、判定できなかったものを黙って捨てることです。前述のとおり、会議では担当が決まらないまま流れる話がいちばん危ない。ここを「要確認」に集めておくと、後から自分で振り分けられます。

自動化の設計として、判定できなかったことを可視化するのは常に正解です。黙って落とす自動化は、動いていないより悪い。

「AI」という分類が要る理由#

これは自動化を組んでいる人だけに効く分類ですが、実務では一番気持ちがいい枠です。「毎月のレポートをまとめる」「データを集計する」といったタスクは、人のリストではなく自動処理のキューに入れるべきものです。

会議でタスクとして挙がった時点で「これはAIに投げる」と仕分けておくと、人のリストに残らずに済みます。


判定に必要なのは、プロンプトではなく「台帳」#

5分類を決めても、AIにはどれがどれか判断する材料がありません。ここで効くのがプロンプトの工夫……ではなく、判断基準を書いた台帳を1枚持つことです。

筆者の環境では、次の3つを1つのファイルにまとめて、判定のたびに読ませています。

台帳の中身何を書くか
owner の定義5分類それぞれの判定基準(「発注しただけなら監督」など)
関係者の名鑑会議に出てくる名前と役割の対応(誰が何の担当か)
プロジェクト対応表案件名と、その案件での自分の立場

名鑑があると「〇〇さんに頼んだ」が「他人のタスク=載せない」まで一気に判定できます。逆にこれが無いと、AIは名前を見てもそれが社内の人か取引先か学生かすら分からない

この台帳は、AIに毎回読ませる「前提ファイル」の一種です。考え方は毎回イチから説明し直す問題を解く記事にまとめています。


実際の運用フロー#

会議771本ぶんの記録を毎日処理している環境では、次の2段構えにしています。

  1. 議事録を作る時点で分類しておく — 文字起こしから議事録を生成する際、ToDoを5分類の形で書き出させる
  2. 夜間にまとめて同期する — 毎日決まった時刻に、その日ぶんの議事録から自分の分だけをタスクリストへマージする

分けている理由は、やり直しを効かせるためです。分類まで済んでいれば、マージ側が失敗しても議事録を作り直す必要はありません。逆に同じ処理でまとめてやると、途中で落ちたときに最初からになります。

マージのときは、既存のリストを壊さないことがいちばん重要です。同じ内容が二重に載らないよう重複を排除しつつ、既に自分が書き足した行には触れない。ここを雑にすると、自動化がリストを荒らす側に回ります。


つまずいた点#

正直に書いておきます。

つまずき対処
名前が文字起こしで化けて名鑑と一致しない表記ゆれを名鑑側に併記する。固有名詞の誤変換は前提(対策記事
「監督」が増えすぎて結局見なくなる監督中は期限が近いものだけを上に出す
雑談の中の「やっとくわ」を拾ってしまう議題に紐づかない発言はunknown送りにして、自分で判断する
過去の会議を一括処理すると大量に湧く遡るのは直近だけ。古い分は棚卸しとして別扱いにする(録音アーカイブの棚卸し

まとめ#

  • 「自分のタスクだけ取り出す」は抽出精度ではなく帰属判定の問題
  • 2分類(自分/他人)では破綻する。5分類(自分・監督・他人・AI・不明)にする
  • 監督を分離するとメインのリストが手を動かす分だけになる
  • 不明を捨てない。会議でいちばん危ないのは「担当が決まらないまま流れた話」
  • 判定にはプロンプトではなく台帳(owner定義・人物名鑑・プロジェクト対応)が要る

タスク抽出が動き始めたのに使わなくなった、という人はほぼ全員ここで詰まっています。抽出の設定を見直す前に、分類を1つ増やすところから試してみてください。